the screen/ザ・スクリーン

京都での宿泊は、値段のとても高い旅館か、退屈なシティホテルの二択が基本。そんな中、ザ・スクリーンは日本に数少ないコンセプトブティックホテルとして、京都では特別な存在だ。

13の客室とスイートルームは個別に設計されているため、コンセプトは多彩。シャンデリアとやや単調な家具でNYアッパーウエストサイドの部屋をイメージしたデザイン（401号室）から、和モダン（101号室）まで、あらゆる人のニーズに応える部屋が揃っている。ただし、ベッドがカーテンに包まれている403号室だけは避けたいかも……（そういう趣味なら別だが）。私たちのお気に入りは301号室。木目の壁が美しいシンプルな内装と、大きな窓から臨む下御霊神社の木々が印象的だ。

全室、BOSEのオーディオ＆プレイヤー、iPodドック、42インチプラズマTV、スーラNYCの小洒落れたバスルームアメニティが用意されている。それでもまだ西洋色が足りないとばかりに、ベッドはシモンズだ。５Ｆにある宿泊者専用のスカイラウンジと、フレンチと和食を融合させたレストランが自慢。レストランは名前こそ「ブロン・ロネリ」といまいちだが、味はなかなかだ。

寺町通りというロケーションは、京都で一番のおすすめエリアと言っても過言ではない。手頃なアンティークショップやフレンチスタイルのビストロが建ち並ぶ、カジュアルでローカルな空気が流れる京都がここにある。京都の人が（そして私たちも）住みたいと思うエリアなのだ。地図上では京都駅や主な観光スポットから離れているように見えるが、実は京都御所の南東の角向かいに面しており、御所の豊かな緑や近隣の神社を楽しめる。

歩いて少しの「カフェ・ビブリオティック・ハロー！（Cafe Bibliotic HELLO!）」は、京都の中でもホッとする魅力的なカフェのひとつ。美味しいエスプレッソドリンク、付属のベーカリー、マッキントッシュのサウンドシステムから流れるアナログレコードの音楽を一日中楽しめる。

レンタサイクルもあるのでぜひ活用すべきだが、数が限られているので事前予約すること